あなたのネタに「物語性」はあるか?


「物語性」とは、「商品やサービス、あるいはあなた自身にストーリーがある」ことです。


物語性は、お店紹介コーナーやグッズ紹介コーナーといった短い尺で露出するときには、かならずしも必要ではありません。


しかし、3分を越える尺のコーナーに出演するときにはあったほうが有利です。


物語性があって、そのストーリーを放送作家やディレクターが「面白い! このストーリーをみんなに伝えたい」と思えば、当初、短い時間の出演予定であったとしても、尺を伸ばしてストーリーを紹介することだってあります。


「ガイアの夜明け」や「情熱大陸」といった長期間の密着取材ドキュメンタリー番組であれば、物語性は出演のための必須条件。しかも、視聴者に共感や感動をしてもらえるだけの、起伏あるドラマティックなストーリーが求められることになります。


ストーリーをつくるなんて難しそう。


そんな考えが頭をよぎったかもしれませんがご安心ください。取材されるあなたが、最初からドラマティックなストーリーを完璧に用意しておく必要はありません。


最終的に物語のシナリオは、制作サイドでつくります。と、いいますか、物語をつくることが、私たち構成作家の仕事なのです。


ただし、「これはドラマになりそうだ」と制作サイドが思える要素だけは用意しておいてください。


ポイントは次の3つです。


・会社や商品で実現したい夢や理想、あるいは使命感


・夢実現に向かう途中の挫折や困難、周囲の批判


・どのように困難と闘い、それを克服することができたか


この本はシナリオ制作のノウハウを紹介するものではありませんので、くわしくは述べませんが、最低限、これだけあればテレビスタッフが「ストーリーができそうだ」と判断できます。


ようするに「目指すものがあって、それを実現させようとしたものの、挫折してどん底を味わってしまう。しかし、努力や幸運でそれを乗り越えていく」こと、それがテレビマンのつくりたいストーリーです。


ビジネスマンに人気のテレビ東京「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」が好むのもそうしたストーリーです。


以前、NHKで放送していた「プロジェクトX」も毎回、このパターンを繰り返し放送していました。


夢を持って店を始めたものの、客が入らずに借金まみれとなり、達人やテレビの助けを借りて人気店として再生する、テレビ東京の「愛の貧乏脱出大作戦」も、まさにこのパターンです。


主人公が何の苦労もすることなく、成功するドラマが存在しないのと同じように、トントン拍子に発展してきた会社や、簡単に開発された商品には、何のドラマ性もありません。


池井戸潤さんの小説を原作とするドラマのように、主人公が降りかかった苦難を倍返しするからドラマティックなのです。


たまに苦しかった時代のことを「思い出したくない」とか「恥ずかしい」といって隠そうとする人がいますが、苦労があったなら「どれほど苦労したか」をホームページに掲載してください。


テレビスタッフは、そこに「物語性」と「視聴者の共感」を見いだして採用を決めているのです。

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