テレビに出るなら情報・報道番組を狙え!


テレビなら何でも同じではない


テレビにはいろんな放送形態があります。地上波、衛星放送(BS・CS)、ケーブルテレビ(有線放送)にネットテレビ……。


そのなかでターゲットを定めるならば、やはりもっとも影響力の大きい地上波キー局のテレビ番組です。


地上波とは、地上局からサテライト(送信所)を通じて一般の家庭に送られる放送波のことで、衛星局(BS・CS)から発信される衛星波に対して用いられるようになった言葉です。


キー局とは、民放放送局の系列ネットワークの中心となる局のこと。日本には5つの主要テレビ局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ)があり、それらの本社がすべて東京に集中していることから、在京キー局とも呼ばれます。


地上波にくらべると衛星放送は、PR的にはほとんど無視されている状態で、個別の番組の視聴率も計測されていません(アンケート調査のような形で数字を弾き出してはいます)。


視聴率の数値=視聴者に対する影響力の目安です。

数値を計測していないこと自体、広告の出稿価値がないと判断されていることを表しています。


一方、(放送エリアや系列局の数、視聴率によって変わってきますが)地上波キー局のテレビ番組に一度、出演すればCM料金に換算した場合、だいたい1千万円から5千万円分の広告費に相当するといわれます。


CMにくらべて自然なテレビ出演のほうが信頼されることを前述しましたが、効果でいえば1千万円から5千万円分の広告費の数倍になるはずです。


それだけの価値がある地上波キー局のテレビ番組に数千万円もかけることなく、タダで出られるのであれば、難易度が少々高くてもそこを狙わない手はありません。


NHKに出演するメリットとデメリット


ここまで民放の在京キー局を中心に述べてきましたが、もちろんNHKの番組での露出を狙うのもありです。



NHKに出演することは、幅広い信頼獲得につながります。


ただし、企業名や商品名が民放にくらべた場合、ストレートに紹介されにくいといったデメリットもあります。


「タバスコ」を「ペッパーソース」、「シーチキン」を「マグロの油漬け缶詰」と置き換えるようにあなたの商品が商品名で呼ばれることはありません。


ただし、最近は、昔ほど神経質に商品名を隠すことはなくなりました。


ナレーションでは読まれないものの、会社名がテロップで表示されたりしますし、昔はひた隠しにされていたラベルが写されることだってあります。


HKT48が新曲をNHKの番組で披露した際も、歌詞の「テトラポッド」が、そのまま歌われてネットで話題になりました。


「テトラポッド」はれっきとした登録商標。山口百恵さんが紅白歌合戦で「真っ赤なポルシェ」でなく「真っ赤なクルマ」と歌ってお茶の間にいた子どもたちが一斉にコケたように、従来ならHKT48も「テトラポッド」を「消波ブロック」と言い替えていたところでした。


それがそのまま歌えるようになったのですから、NHKは変わりつつあるのでしょう。


狙い目のジャンルは「情報・報道」番組だ


狙う番組のジャンルも絞り込んでおきましょう。視聴率調査を行う株式会社ビデオリサーチでは、テレビ番組を「報道」「教育・教養・実用」「音楽」「ドラマ」「アニメ」「映画」「スポーツ」「その他の娯楽番組」のジャンルに分類しています。


あなたが自らの商品をテレビで露出したいと考えるのであれば、中でも、各キー局のいわゆる「情報番組」、あるいは「報道番組」をターゲットとして狙ってみてください。


情報番組は以前、「ワイドショー」と呼ばれていたものです。


しかし、1989年にTBSのワイドショーが、オウム真理教を批判する弁護士のインタビュー映像を放送前にオウム真理教幹部に見せていたことが大きな問題となったことをきっかけに、ダーティなイメージを払拭するため「情報番組」と呼称するようになりました。


かつて情報番組は、報道局報道部が番組制作している「報道」とは別ジャンルとして扱われてきましたが、積極的に事件・事故や政治問題を取り上げるようになって情報番組の報道化が進みました。


一方で、報道局がつくる夕方のニュース番組でも芸能ニュースや生活情報を扱うようになったため、その境界線は明確ではなくなっています。


ですから明確な区別が必要な場合を除いて、ここでは情報・報道番組と呼称していきます。


情報・報道番組がテレビPRにおすすめなのは、あなたの商品を文字通り「情報」として扱ってくれるからです。


「情報」の定義にもいろいろありますが、テレビ番組における情報とは、「視聴者に役立つこと」と考えればよいでしょう。


バラエティ番組の取材では、お笑い芸人に面白おかしくいじられたり、ときにはけなされてしまうことだってありえますが、情報・報道番組ではそれがありません。


視聴者に有用な情報を届けることが使命の情報・報道番組では、けなさなければならないような商品は最初からとりあげることがないからです。


情報・報道番組では、あくまで視聴者のために役立つ情報を取り上げるので、「美味しい商品」「便利な商品」「珍しい商品」「楽しい商品」「ありがたい商品」「うれしい商品」といったポジティブな扱いに自然となります。


ここでは「テレビに取材させること」を「お金をかけずに、テレビ番組に〝情報〟としてポジティブに紹介してもらうこと」と定義していますが、キー局の情報・報道番組は、その格好の舞台なのです。


情報・報道番組で紹介されることは、信頼度の向上にもつながりやすくなります。

仮に「当店のケーキは、フジテレビの〝志村けんのだいじょうぶだぁ〟で取り上げられました」とホームページに載せてあった場合、「一体、どんな取り上げられ方をしたのだろう?」と、つい思ってしまいます。


もしかしたら「ダチョウ倶楽部が顔を突っ込んだケーキを提供したのかな」と思う人もいるはず。それでは売上にはつながりません。


しかし「TBSの〝王様のブランチ〟で紹介されました」とあれば、多くの人が素直に「美味しいケーキだから紹介されたんだろう」と信頼を寄せるでしょう。


情報・報道番組を狙う場合、地方在住の人なら、さらにチャンスが拡がります。なぜなら地方では、キー局の情報・報道番組以外に、系列の地元放送局が独自の情報・報道番組を制作しているからです。


そこではとりわけ「地域密着ネタ」が好まれる傾向にありますので、格好のターゲットとなるでしょう。地方局もつねに面白いネタを求めています。地方であればライバルの数も限られていますので、どんどんと積極的に地元のテレビ局に情報提供してください。

放送作家が伝授!

テレビ取材を受ける方法

© 2020 by Akihiro Ishida