テレビの影響力は今もすごい!

視聴率1%で全国100万人に届く


「テレビの世帯視聴率が1%なら、全国で約100万人が見ていることになる」。テレビ業界や広告業界では、昔からよくそういわれてきました。


視聴率調査会社のビデオリサーチによれば、視聴率1%パーセントなら、関東地区であれば40万人が見たことになり、関西地区なら視聴率1%で、16万人が見たことになるとされています。


ただし、正確な数字は誰にもわかりません。


世帯視聴率は1世帯を4人家族としていますが、今どき1台のテレビを家族4人がそろって見ている家庭も少ないでしょう。


また、「猫が見ていても視聴率」といわれるように、視聴率調査会社のビデオリサーチが機械を設置したモニター家庭のテレビがスイッチの入った状態であれば、まさにソファの上の猫以外、見ている人がいなかったとしても、世帯視聴率にカウントされてしまうからです。


それでも、やはりテレビほど一度に大勢の不特定多数に情報が届くメディアは他に存在しません。


YouTubeで100万回動画が再生されれば、それだけで話題になるそうです。しかし、テレビの視聴率なら100万人に見てもらったとしても視聴率はわずか1%程度に過ぎません。


出版業界でいえば、100万部売れる本は、年に1冊あるかどうかの大ベストセラーです。


しかし、テレビのレギュラー番組で、100万人程度の人にしか見てもらえずに視聴率が1%だったとしたならば、深夜や早朝でない限り、即刻、打ち切りとなってしまいます。


一度に、数百万~数千万単位の人に情報を届けることのできるメディアは、やはりテレビだけ。1日の大半をスマホから情報収集して過ごす人が多くなった現代においても、テレビの影響力は今なお、他のメディアを圧倒しているのです。


テレビのすごさは「伝達力」の質にあり


情報を伝達する力も、テレビは他を圧倒しています。


ネットや新聞、雑誌と比べて、テレビは制作にかける予算が群を抜いています。出演者や制作スタッフの人件費のほか、舞台セットの制作費、撮影機材などなど。人気番組や特別番組になると、数千万円の費用がかかります。


だからこそ、幅広い世代に対し、笑ったり、感動したり、泣いたり、考えさせたりするような多彩なコンテンツを創出できるのです。


テレビは視覚と聴覚の双方に訴えるコンテンツで、観る人の感情に訴えやすいこと、リアルタイムで広範囲にコンテンツを放送できることも大きな強みといえるでしょう。


前に述べたように、視聴者にとってのテレビは一方的に情報を受け取るだけの受動的なメディアです。


それは他のメディアとくらべた場合、情報を受け取る際の負荷が少ないことを意味します。やることはリモコンの電源スイッチや選局ボタンを押すことだけ。つまり、他の何より気楽に接することができるメディアがテレビなのです。



そうしたことが今も多くの人に視聴され、100万人単位に情報を届けられるマスメディアでいられる理由の1つなのではないでしょうか。

紙の新聞が、若者たちを中心とする新聞離れによって部数を年々減らしているように、今はなかば習慣としてテレビをつけている人たちのテレビ離れも今後は進むかもしれません。しかし、現在のところ、テレビに代替しうるマスメディアは未だ現れていません。今もテレビは、もっとも影響力をもったマスメディアであり続けているのです。

もはや10年以上前のことになりますが「これからはネットの時代、テレビなんてオワコンだ」と声高に叫んでいた元ライブドアの堀江貴文さんや、楽天の三木谷浩史社長がフジテレビやTBSの買収に乗り出したのも、まさしく他を圧倒するテレビの影響力を手に入れたかったからに他なりません。堀江さんが今もテレビに出演し続けているのは、その影響力を計算した上で自身のブランディングに利用しているからなのではないしょうか。


無名著者の本が増刷を重ねたのはテレビの力


私自身、テレビの影響力を実感したことがあります。


それは最初の著書である『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター)を2014年に出版したときのことです。



私はテレビ業界の裏方で表に出るタイプではありません。それも最初の本ですから、一般的な知名度はまったくありません。ですから本を出しても、しばらくはほとんど売れませんでした。


ところが、ある日の日曜の夕方、びっくりすることが起きました。


なんと日本テレビの人気長寿番組「笑点」の大喜利コーナーの冒頭、メンバーの挨拶の際に円楽師匠が、なんと私の著書をカメラに向けて紹介してくれたのです。


実は私は、放送作家になる前に円楽師匠の弟子として修行させてもらっていました。そんなご縁があるため、初めての出版を報告しようと献本していたのですが、まさかテレビで紹介してもらえるとは露ほども思っていませんでした。


私の著書は、若いビジネスマン向けの企画術の本でしたので、高齢者が中心とされる「笑点」の視聴者層とは懸け離れています。


だから大した影響はないだろうなと考えていました。ところが、テレビで紹介されると、すぐにAmazonの在庫が瞬く間になくなり「一時的に在庫切れ 入荷時期は未定」と表示されるようになりました。


その日の笑点の視聴率は18%、単純計算で1800万人の目に触れたことになります。そのわずか0・1%でも、本に興味を持ってくれた人がいたとすれば、その数は1・8万人。実際に購入してくれる人が、さらにその中の0・1%だとしても1800冊が売れる計算になります。


おかげでこの本は、Amazonランキングのベスト100以内にランクイン、カテゴリー別の「ビジネス企画」部門で1位となる反響を呼び、増刷を重ねることができました。


もちろん、編集者や出版社の営業の人が汗をかいてくださったことも版を重ねることができた大きな要因でした。


しかし、まったく無名の著者であった私の本がそこまで売れたのは、テレビに露出したことがきっかけだったことは間違いありません。


Amazonランキングは、放送から数週間経っても、しばらくの間、ずっと「ビジネス企画」部門の1位をキープし続けていました。それはテレビを観て拙著を読んでくれた人が、書評ブログやSNSのクチコミで広めてくれたおかげです。


そのとき、拙著を紹介してくれたブログは、発売1ヶ月でじつに50本以上を数えました。このことはテレビとネットが連動した時のすさまじい威力を、私自身が痛感した出来事でした。


テレビに出て一気に売上を伸ばした人々


ネタだしをしたことがきっかけでテレビに取り上げられ「すごい反響です! ありがとうございました」と感謝された例も数多くあります。


美味しいピザを提供しながら、ご主人の強面と愛想のなさでお客さんが入らず、潰れる寸前だったピザ屋さんも、夕方のニュースの特集コーナーに「こだわりの店」として取り上げられ、以来、大繁盛店となりました。


テレビで紹介されて以来、行列店となったパン屋さんや、在庫が瞬く間になくなった文房具メーカーもあります。


近くにある大学に通うため、下宿生活を送る地方出身の学生のために、採算度外視でデカ盛りの定食を出し続けていたものの、食材の値上がりで経営が行き詰まった定食屋さんのネタをとある情報番組に提出したこともあります。


その結果、「人情食堂の閉店危機」として取り上げられ、共感した視聴者や、お世話になった店のピンチをいった大学のOBたちが大挙してやってきて、店じまいしなくてすんだといったケースもありました。


私がフジテレビの情報番組「情報プレゼンター・とくダネ!」に紹介したことがきっかけで、今では各局の健康情報番組や「名医の太鼓判(TBS)」といったゴールデン番組の常連となっている医師の方もいます。


その医師は今や、クイズ番組に解答者として出演したり、ドラマに役者として登場したりしていて、飲み屋さんではサインを求められるほど。都内で経営する医院にも多くの患者さんが押し寄せています。


もちろん、もともと名医なのでしょうが、テレビがまさしく太鼓判を与えたことで、いっそう信用が高まったのです。これらはテレビの影響力を上手に活用した例といえるでしょう。

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