
テレビへのプレスリリースは「タイトルが9割」

こんなタイトルは絶対に読まれない
プレスリリースで大切なのは、内容であると前述しましたが、とりわけ大切なのがタイトルです。
たとえば―――
「×××株式会社、デジタル複写機の生産拠点を中国からベトナムに移転」
「株式会社A、豪州から水産物輸入~◯◯◯社と業務提携で」
「洋風雑貨のB社、〝フォーリンプレース〟を30店舗に拡大」
~といったタイトルのプレスリリースは、秒速でゴミ箱行きだと考えていただいて間違いありません。
テレビマンが「これを送ってきた人、絶対にうちの番組見たことないでしょ」と即座に判断するからです。
最後までちゃんと読めば、もしかしたら採用になるかもしれないネタも、タイトルがこのようなものだと、即座に「使えない」と、判断されてしまいます。
すべての問題は「切り口」と「伝え方」にあるのです。
たとえば―――
「株式会社A、豪州から水産物輸入~◯◯◯社と業務提携で」
こうしたタイトルであっても、その内容が番組の視聴者に役立つものであり、そこを強調すれば十分、取材してもらえます。
実際に、このプレスリリースの本文をよく読んでみると、業務提携した「◯◯◯社の新しい冷凍技術により豪州産マグロ(ミナミマグロ)を従来より約七割安く輸入できるようになった」とあります。
そうであれば、「激安ミナミマグロが豪州から初上陸!」とうたったほうが、視聴者にとって役立つ、有用な情報になり、テレビマンも伝えたくなります。
前述したように、テレビ番組には1日に100通以上のプレスリリースが届きますから、そのすべてを最後まで読んでいたら、仕事になりません。
ですからタイトルと、せいぜいその下のリード文で判断するのはやむを得ないのです。
テレビ番組向けのプレスリリースは「タイトルが9割」と考えてください。タイトルの一行で、テレビマンに興味を抱かせ、リードや本文へと誘うのです。
最終的には、より詳しい情報を載せたホームページまで誘導することが、今どきのプレスリリースの目的です。しかし、入り口でつまずいていては元も子もありません。