テレビ番組には、どうやってアプローチすればよいか




テレビ番組には個人も情報提供ができる


あなたの商品が、どれほどにいいものであったとしても、テレビ局にその存在を知ってもらわないと、取材依頼が来ることはありません。その特徴をしっかりとホームページやSNSでアピールしてください。


とはいえ、第1章で紹介したように、今は情報爆発の時代。ネット上でアピールするだけでは、なかなか見いだしてはもらえません。


そうであれば、こちらからテレビ番組に情報提供しましょう。その手段としてもっともポピュラーなのが「プレスリリース」を送ることです。


プレスリリースは、大企業やPR会社がマスコミに送るものと考えている方が少なくありません。しかし、小さな会社や個人が送って構いません。


プレスリリースといわれれば、大上段に構えてしまいがちですが、その本質はマスコミへの情報提供に他なりません。


情報を提供してもらうことをイヤがるマスコミはありません。遠慮しないでどんどん情報提

供してください。


ゴミ箱に直行するプレスリリース


ただし、テレビマンはあまりプレスリリースを読みません。


もちろん、きちんと目を通しているスタッフもいるのでしょうが、正直なところ、私が30年間テレビの現場にいて、PR会社などからファックスやメールで送られてくるプレスリリースをきちんと読んでいるスタッフを一度も見たことがないのです(プレスリリースをまとめて紙ゴミ専用の段ボールに投げ入れているところは何度か目撃しましたが)。


私は活字中毒ですので、時間があるときには、プレスリリースに目を通していました。しかし、すぐに読むのを止めてしまいます。


なぜなら、そこには「こんな新しい商品を発売しました! ぜひ取材してください」「こんな画期的なサービスを始めますので、ぜひとも番組で取り上げてください!」といった内容の文章ばかりが書かれているからです。


テレビの情報・報道番組で、このような「明らかなPR目的」のプレスリリースは、ほとんど番組のネタとして採用されません。


そもそも「こんな新しい商品を発売しました! ぜひ取材してください」といわれても、テレビ番組が特定の企業や商品のPRをかってでることは絶対にありません。


繰り返しになりますが、公共の電波を使って放送されるテレビ番組における「情報」は、視聴者に役立つもの、あるいは有用なものでなければならないからです。


プレスリリースが、宣伝やマーケティング目的であることを、テレビマンは重々、承知はしています。

しかし、それ以前に「視聴者にとって有用な情報」がなければ、テレビ番組にネタとして採用されることはありません。


活字媒体と映像媒体、混ぜるなキケン


一方、業界新聞や雑誌、Webメディアでは、プレスリリースを参考に、記事がつくられることが多いようです。


それだからでしょうか。テレビ番組に送られてくるプレスリリースのほとんどが新聞・雑誌・Webメディアといった「活字媒体」に送っているものと、まったく同じようなタイトルや文面となっています。


ご存じのようにテレビは不特定多数をターゲットにした映像メディアであり、活字媒体とは表現方法がまったく違います。それなのに活字媒体用のプレスリリースを送ってもらっても、まったく意味がありません。


もしかしたら「数打ちゃ当る」と考えて送っているのかもしれませんが、仮にあなたが、きわめて多忙なテレビマンだとして、次のようなタイトルのプレスリリースを読んだら、どんな気持ちになるでしょうか?


私なら思わず括弧内のようなツッコミをしてしまいます。


「×××株式会社、デジタル複写機の生産拠点を中国からベトナムに移転」

(えっと……、だから、何でしょうか?)


「株式会社A、豪州から水産物輸入~◯◯◯社と業務提携で」

(それが主婦を対象としたウチの番組と、どう関係あるのでしょうか?)


「洋風雑貨のB社、〝フォーリンプレース〟を30店舗に拡大」

(不勉強ですみません、そもそも〝フォーリンプレース〟って何でしょう?)


これらのタイトルは、「マスコミに取材されるプレスリリースの書き方」といったサイトに、実際に見本として載せられていたものです。そこでいう「マスコミ」とは、主に新聞・

雑誌といった活字媒体を中心としているのでないでしょうか。


こうしたサイトを見て、同じようなタイトルで作成されたプレスリリースが毎週、数百枚と送られてくるのですから、テレビマンが読まなくなるのは、当然といえば当然です。


こうしたサイトに見本として掲載されているタイトルは、活字媒体である新聞紙や業界紙やタウン誌、あるいはWebメディアに送るのであれば十二分に役立つものなのかもしれません。しかし、それではテレビ番組に取り上げられることは、永遠にないでしょう。


プレスリリースは、テレビ番組に情報提供できる有力な手段の一つです。面倒かもしれませんが、プレスリリースは「活字メディア用」と「映像メディア用」の2種類を用意してください。


多少の労力はかかりますが、お金はほとんどかかりません。繰り返しになりますが、それでいてテレビ番組で紹介されれば広告費換算で数千万円の効果が得られるのです。


送るならば、ぜひとも、テレビマンが飛びつくポイントを押さえたうえで送ってみてください。採用の確率はきっと、驚くほど高くなるはずです。

放送作家が伝授!

テレビ取材を受ける方法

© 2020 by Akihiro Ishida