
テレビ番組にはプレスリリースを「郵送」しよう

テレビ番組にプレスリリースを送るなら、自分の商品を露出したい番組やコーナーを決めておくことが大切です。
その番組のコーナーの傾向を知っていれば、取り上げられている商品の傾向がつかめますので、その傾向に合せてアピールする切り口を決めることができます。
できれば普段からあなたが実際に好きで見ている番組から優先的に選んでみてください。
選んだ番組に送る方法には、メール、FAX、郵送といった方法がありますが、私が小さな会社やお店におすすめするのは郵送です。
メールやFAXの送付では、大量に送りつけられてくるプレスリリースに埋もれてしまう可能性がありますが、自社の封筒や茶封筒に、手書きで送り先が書いてあるような封書はつい中身を見たくなるものです。
ワープロソフトで印刷された宛名では、ダイレクトメールっぽくなってしまいますが、「広報担当者の女性が、いかにも一生懸命に書きました」と感じられるよう手書きにすると開封率が高まります。
封筒には手紙や資料も一緒に入れる
できれば、封筒の中には、プレスリリースと一緒に、番組の感想を記した手書きの手紙を入れてください。きっと喜ばれます。
テレビマンは普段、顔が見えない不特定多数の視聴者を相手に仕事をしています。
ネットを見れば、視聴者のリアクションを目にすることができますが、そこには番組や出演者に対するネガティブな批判が山のように書き込まれていることが多々あります。そんな中、匿名でない視聴者の1人から直接、番組の感想を届けてもらうことは無上の喜びとなるのです。
採用してもらいたいからといって、歯の浮くようなお世辞を書く必要はまったくありません。
その番組を実際に見て感じた、素直でポジティブな感想を書いてあげてください。
「先日、放送していた×××特集、とても共感しました。なぜなら……」といった視聴者の生の声が届くと、どんなテレビマンもうれしくなります。数百万~数千万人を対象として情報を届けているテレビマンは、視聴者1人1人の顔を見ることができませんし、声を聴くこともできません。彼らも人間ですから、ちゃんと名乗って感想まで書いてくれている。そうしたプレスリリースのネタの切り口を自分の頭で考えて推したくなるのは当然のことです。
封筒には、会社概要や、過去に掲載された新聞・雑誌の記事のコピーも一緒に入れて送るとよいでしょう。
テレビ取材を受けたことがあるならば、その際のDVDも添付してください。ユーチューブに上げた動画あるなら、そのURLも忘れずに。映像メディアであるテレビの世界の人は、動画で確認することで、どんなVTRを作れそうか、画が見えるからです。
郵送するプレスリリースの宛名はどうする?
郵送する場合の宛先については、テレビ局の住所はネット検索すれば、すぐに分かりますので調べてください。
宛名は、わざわざ担当者の名前を調べなくて大丈夫。「番組名+××コーナーご担当者様」で十分です。
なぜならテレビ局や番組内では、毎年、6月あたりに、かなりの頻度で配置転換が行われています。間違って先任の担当者の名前を書くくらいなら、「御担当者様」のほうが良いのです。
実際に、とあるPRコンサルタントの方から、情報・報道番組の担当者の名前が書かれたエクセルのメディアリストを見せていただいたことがありますが、担当者とされている人の多くが、すでに他の番組や部署に移っていた方でした。
そうした宛名でプレスリリースを送っても、意味があるとは思えません。
今、現在の担当者の名前を特定できたとしても、送られた相手にしてみれば、「何でこの人は、自分がこのコーナーの担当だと分かったのだろう」といった疑心暗鬼の念が生まれかねません。
そうであれば、あくまで「この番組の、このコーナーのファン」である、一視聴者の立場で情報提供していると思ってもらったほうが得策なのです。
メールやFAX、電話より封書がいい理由

メールやFAXでは、受け取ったスタッフは、「どうせ、他のメディアにも一斉送信しているのだろう」と考えてしまいますが、番組の感想が手書きで書かれた手紙が添えられていれば、「うちの番組を選んで送ってきてくれた、うち独自のネタ」と考えます。
テレビは独自ネタを大切にしますから、それだけであなたのプレスリリースの価値が上がります。(とはいえ、もちろん複数の番組に送って構いません)
電話でのアプローチも避けたほうがよいでしょう。
確かにテレビ局の代表電話番号にダイヤルして、情報・報道番組の番組名を告げれば、スタッフルームにつないでくれます。
しかし、その電話を受けたテレビマンの多くは、売り込みだとわかった瞬間、いかにもかったるそうにあなたの話をさえぎり、「あー、紙(プレスリリース)で送ってもらっていいですかぁ?」と、迷惑そうに応えるはずです。実際に、そうした応答を何度も見てきました。
「電話は突然、一方的に時間を奪われるもの」といった認識が、近年広まっていますが、あなた自信がそうであるように、ただでさえ多忙なときに、売り込みの電話がかかってくるほど迷惑なことはありません。
仕事としてPR業務に携わっている広報の方やPR会社の方は、そうしたアプローチも必要かもしれませんが、一般の方が直接、電話までする必要はないと思います。
何より大切なのは、プレスリリースの内容です。読んでくれたテレビマンがネタとして「取り上げたい」、「多くの人に伝えたい」と思わなければ、どんな方法で送ったとしても採用されることはありません。