プレスリリース一斉配信サービスの問題点



個人的には、プレスリリースの一斉配信サービスも「問題あり」といわざるを得ません。


プレスリリース配信サービスとは、数万円を支払うことで、プレスリリース原稿を多くのメディアに一斉配信してくれる代行サービスのこと。

無料サービスをうたっているところも少なくありません。


この配信サービスは、私の知る限り、残念ながらやはり活字媒体と映像媒体の違いを意識してはいないところが多いようです。


中には内容に応じて、送り先を選んでくれる有料の配信サービスもあるようですが、そうではなく文字通り、一斉に配信して終わりといったところのほうが多いのではないでしょうか。


よほどの大企業や話題の企業を除いて、総務・人事情報や決算関連、資金調達や資本提携といった、いわゆるコーポレート情報をテレビ番組で扱うことはありません。


それにも関わらず、生活情報番組にこうしたプレスリリースが舞い込んでくるのは一斉配信だからではないでしょうか。


そうしたプレスリリースばかりが連日、大量に押し寄せてくることで、テレビマンは「どうせ、読んだって無駄」と感じて、ますますプレスリリースを読まなくなっていきます。悪循環といわざるを得ません。


配信サービス会社の多くには、それぞれに一斉配信のためのひな形があり、それに当てはめる形となるため、プレスリリースが定型化してしまうといったデメリットもあります。


「プレスリリースがあまりに定型化しすぎている」といった声は、大手広告代理店のPR局に所属する方もいっていました。その人は「いかにも〝プレスリリースでござい〟といった原稿ばかりだから、もはやプレスリリースといった名前自体を使わない方がいいのではないか」といっていましたが同感です。


正直なところ、テレビ番組に提出すべきは、いわゆるプレスリリースの体裁をとったものではなく、私たち放送作家がネタ出し会議で提出するような1~2枚程度の提案書、あるいはプチ企画書なのです。


プレスリリースでのアプローチが良くないといっているのではありません。前述したように、常にネタが枯渇しているのが、テレビの情報・報道番組の現状です。


「使える」ネタの情報提供であれば、365日、24時間ウェルカム!


 むしろどんどん送ってきてもらいたいのです。

ですから、いわゆる「プレスリリースの作法」にばかりとらわれて、伝えたがりのテレビマンが考える「面白さの本質」、つまり「テレビマンが伝えたくなる要素」を見失わないよう気をつけてください。

放送作家が伝授!

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