情報・報道番組をオススメする理由



情報・報道番組のネタはつねに枯渇している


採用されるチャンスが多いことも、情報・報道番組をおすすめする理由です。


情報・報道番組の多くは、月曜から金曜の週5日、同じ時間に放送されていますが、毎日休むことなく、視聴者に有意義な情報を届けなければなりません。


世間の耳目を集める大きな事件や出来事があるときは、その事件や出来事をさまざまな角度から切り込んだり、深掘りしたり、新たにわかった事実などを届けていれば尺(放送時間)を埋めることもできます。


しかし、世間が凪いでいるとき、つまりとくに大きな事件や出来事といった国民共通の関心事がないときは、全部で90~120分の尺を埋めるのが、なかなか大変なのです。


私は約30年間、つねに情報・報道番組の構成作家として番組にかかわってきましたが、デイリーの情報・報道番組は、いつもネタ不足にあえいでいる状態でした。


そのことを如実に表す実体験もあります。ある情報番組のスタッフルームで翌日の放送の準備をしていたときのこと。


突然、チーフディレクターのA氏が、大きくあくびをしながら「あああ、誰か死なねえかなあ!」と叫んだのです。


きわめて不謹慎な話ではありますが、著名な芸能人の訃報が飛び込んでくると、生前のVTRを流したり、共演者が親交のあった故人の思い出を涙で語る様子を紹介したり、死因となった病気をくわしく解説したりすることで、次の日の放送の尺がかなり埋まることになるのです。


その後、お通夜や葬儀を取材すれば、そこに参列する有名人に出演料ゼロで、故人を偲ぶお悔やみのコメント、業界用語でいう「おくコメ」をもらうことができます(ちなみに結婚報道の際にもらうコメントは、おめでとうコメント=「おめコメ」といいます)。


涙は映像的に強いため、視聴率もとれます。


だからこそ世間が凪いでいるときには、A氏のように不謹慎な心の叫びが、つい、あくびとともに声に出てしまうことだってあるのです。


「ひまネタ」枠を狙え


デイリーの情報・報道番組は、それほどネタに困っています。番組に穴を開けるわけにはいきませんから、どうしてもネタがなければ「ひまネタ」と呼ばれる情報で尺を埋めるしかありません。


「ひまネタ」とは、とくに緊急性のないグルメ情報や動物の赤ちゃんの映像、季節に合わせた便利グッズの紹介といったVTRのことです。それらが流れていたら、「この番組、今、放送するネタがないんだな」と考えてよいでしょう。



そのような情報番組に、視聴率がとれるようなネタや、視聴者に役立つネタをこちらから提供してあげれば、世間が凪いでいるときのためのストックとして、取材してもらえる確率がぐっと高くなるのです。


「うちのような小さなお店の商品を取り上げてもらえるだろうか」と考えるかもしれませんが、その点は大丈夫。


テレビ番組は、大企業や大型チェーン店より、街の片隅でがんばっている小さな会社やお店のほうを応援します。遠慮しないでどんどん情報提供してあげてください。


ただ、どんなネタであろうと採用されるわけではありません。反社会的なネタや青少年に見せられないアダルトなネタは提出するだけ無駄です。


以前はまだアダルトネタが許されていましたが、今はかなり厳しくなっています。


私は30年ほど前、テレビ朝日の深夜に放送されていた情報番組「トゥナイト」「トゥナイト2」の構成作家をやっていましたが、この番組では「ゴールデンウィーク風俗特集」といったアダルトネタを映画監督の山本晋也さんのレポートでお届けするコーナーが大人気でした。


そのコーナーで私は「子どもの日でもオトナは風俗! 新宿歌舞伎町では×××ちゃんの超絶テクが、アナタのマゴイを直撃!」といったナレーションを書いて、乱一世さんに読んでもらっていました。


古き良き時代などと一概には言えませんが、少なくとも今の時代、このようなネタはありえません。


反社会的かどうかグレーなネタも難しいでしょう。「若者に大人気!行列のできる原宿・竹下通りの×××ショップ」であっても「入れ墨ショップ」では情報として採用されることはありません。


番組スポンサーと競合する商品もNGです。


たとえば、朝の情報番組は、花王やライオンといった生活用品メーカーががっつりとスポンサードしていますので、そこにあなたの会社の洗剤や入浴剤を売り込んだとしてもネタとして採用されることは難しいでしょう。


投資関連や健康食品も微妙です。投資にはリスクが伴いますし、健康食品は効能が定かでないためです。


確実にお金が増えたり、健康が増進したりするならともかく、視聴者に損をさせる可能性がある投資商品や、効くかどうかわからない健康食品を無責任に視聴者には紹介できないのです。


それではどのようなネタが、テレビマンに採用されるのでしょうか。


それを体系的に説明しているのが、私が書いた本『人気情報番組の放送作家がこっそり教えるタダでテレビに取り上げられる方法』です。


2019年12月の発売以来Amazon部門別ランキング、90日連続(12/12~)ベストセラー第1位のもなった、この本をぜひ参考にしてみてください。





この本は、「商品には絶対の自信がある! しかし、その魅力が世の中に知られていないがゆえに、売上が伸びない……」といった方に向けて、テレビでPRするコツを書いたものです。


大前提として、そもそも商品がお客さんを満足させられるものでなければ、どれほどメディアでPRしてお客さんが増えても、まさに「瞬間最大風速」で終わり、決してリピーターが増えることはありません。


数年前、私の自宅の近所にオープンしたラーメン店がそうでした。その店は開店記念として、なんと一杯100円でラーメンを提供するサービスを、土曜日に1日限定で行うことにしました。


各家庭にそのことを告げるチラシをポスティング、タウン誌にも取り上げられ、さらに当日の朝刊の折り込みチラシで広告したものですから、店の前は開店前から長蛇の列です。


私が行列に並ぶことはありませんでしたが、イベント感覚で食べにいった妻と息子に味の感想を聞いたところ、「お湯に市販の鶏ガラだしをケチって溶いた感じのスープ」だったとのこと。食べて見れば、まったく美味しくなかったそうです。


その後、その店はつねに閑古鳥が鳴いた状態で3ヶ月と持たずに店じまいとなりました。


このケースでは「まずさ」を大々的にPRしてしまいました。

それではまったく意味がありません。チラシ代などの広告費を、まさにドブに捨ててしまったのですから。


どんなに頑張ってPRしてお客さんを呼んだとしても、肝心要の商品がどうしようもなければリピーターができることはありません。


そのことは、あなたも重々、分かっていることでしょう。


あなたは自らの商品に絶対の自信を持っているはずです。


問題は、よい商品を提供しながらも消えていくお店や会社が後を絶たないことです。


ここ数年、私の周囲では大好きだったお店がどんどん閉店してしました。


駅から少々距離はあるものの、辛み大根を使った絶品のおろし蕎麦を食べされてくれるお店。

店構えこそ薄汚れているものの国産うなぎを信じられないほど安い値段で蒲焼きにして、うな丼にしてくれていたお店。

肉厚のアジフライがありえないほど美味しかった定食屋さん、家族の誕生日に妻がかならずケーキを買い求めていた洋菓子店―――。


それらのお気に入りのお店が、次々と私の住む街から消えていったのです。


良い店が、こんな簡単に消えていいはずがありません。

いくら競争社会といえども、私たちに喜んでもらうことが何よりの生きがいで、本業を一生懸命に頑張っている人が、経営難でご自身だけでなく、家族まで苦しめるような危機に陥いるようなことがあってはならないのです。


テレビ東京「愛の貧乏脱出大作戦」の出演者の中には、「売上があがらずに借金ばかりが増え、正直、いつも首をくくることを考えていた」と告白してくれた方もいました。しかし、テレビの力を使えば、そうした状況からも一発逆転できることを、あの番組は教えてくれました。


よい商品がありながら、世間の認知度が低いといった理由だけで、苦しんでいるのなら、タダでPRできるテレビの力を使わない手はありません。


ぜひ、この本を参考にしてやれるだけのことをやってください。


最低一度はプレスリリースを自分でつくって、あなたが自分の商品を露出したい番組に送ってみてください。


もし、あなたのプレスリリースにテレビ番組から何らリアクションがなくても大丈夫。前述したように、他の番組や他のメディアで再チャレンジすることが可能です。


確かに、テレビは他のメディアにくらべれば、採用される確率のかなり低い狭き門かもしれません。

ただし、チャレンジにお金はほとんどかかりません。切手代だけで広告換算にして数千万円の効果のあるPRが可能なのですから。


1000円でロト6を買うのにくらべれば、はるかに低リスクでハイリターン、それがテレビPRにチャレンジすることです。


本書は、私にとって10冊目となる区切りの本でした。


執筆を始めたのは、放送作家になってちょうど30年の節目の年でもありました。本書を書いているうちに、放送作家生活でこれまでにあったいろんなことを思い出したりもしました。そして出会った数多くの番組スタッフにも、あらためて感謝の気持ちがわきあがってきました。


これまで放送作家を続けてくることができたのは、まさに出会った方々や担当テレビ番組をご覧いただいた視聴者の皆さんのおかげです。ここにあらためて感謝いたします。

放送作家が伝授!

テレビ取材を受ける方法

© 2020 by Akihiro Ishida